SAKURA PRESS

【ボールペンの種類と特徴】インキ、形状、機能を知ってニーズに合った選択を!

2023.05.19

特集

ballpen_main

ボールペンは多くの人にとって馴染みのある筆記具ですが、インキの種類、ペン先の出し方や太さの違い、プラスαの機能性といった面で見てみると様々な種類が存在します。それぞれの特徴を知っておくと、用途や書き心地など自分のニーズに合ったボールペンを選びやすくなりますよ。

ボールペンとは、どんな筆記具?

ボールペンは、だいたいどのご家庭にもある身近な筆記具ではないでしょうか。ご家庭だけでなく、学校や職場でも広く活用される他、履歴書や契約書などの重要書類を作成する際にも使われ、その利用シーンの幅広さはボールペンの特徴のひとつと言えます。ですが一口にボールペンと言っても、実はタイプがたくさんあり、それぞれ特性が異なります。

ballpen_feature

ボールペンには、どんな特徴があるの?

ペンと呼ばれる筆記具はさまざまな種類がありますが、その中で、回転するボールをペン先に用いたものをボールペンと呼びます。運筆とともにボールが回転して、軸内のインキが出る仕組みになっています。そのため、ボールが回転しないとインキが出にくい状況となり、うまく筆記ができません。例えば、ボールペンをかなり寝かせて持った場合や、筆記面が極端にデコボコしている場合、逆にツルツルと滑りやすい場合などが該当します。

ですが、比較的スムーズに筆記できる点、そして安価で手に入るものが多い点は、ボールペンならではの特徴であり、広く普及している理由とも言えるでしょう。

ボールペンを使う際に注意したいこと

ボールペンは、非常に書きやすい筆記具ではありますが、構造や素材の特性上、使う際に注意が必要な場面がいくつかあるので、それをご紹介します。

ペン先を水平より高く上げない!

壁にかけたカレンダーにメモ書きをする場合など、卓上以外で筆記を行うことがあるかも知れませんが、この時、ボールペンの先が地面と水平な状態よりも高く上がってしまうと、軸内に空気が入りやすくなります。軸内に生じた気泡は、インキ漏れや筆記不良の原因につながることがあるため、ボールペンで書く時はペン先を上に向けない、と覚えておきましょう。

ペン先に強い衝撃を与えない!

ボールペンの先端は非常に精密に加工されています。ペン先からの落下や、ペン先で物を突く、穴を開けるといった外部からの強い衝撃は、傷や変形につながります。そうなると筆記線がかすれたり、インキが漏れたりすることがあるため、ペン先の扱いは優しく丁寧に、を心掛けましょう。

ペン先を出したままにしない!

ボールペンの先端が露出した状態のまま、誤って衣服のポケットやペンケースに入れてしまうと、先端のボールが触れた部分にインキが染み出す恐れがあります。また、ペン先の向きによっては軸内に空気が入り、インキ漏れや筆記不良の原因にも。ボールペンを携帯する際には、キャップの締め忘れ、ペン先の収納忘れに特に注意するようにしましょう。

長い間、使わずに放置しない!

ボールペンのインキは、1~2年を過ぎると、蒸発したり性質が劣化することがあります。そうなると筆記不良が生じるため、購入後は1〜2年を目安に使い切るようにしましょう。使いきれないほどの量のまとめ買いはおすすめしません。

ボールペンのインキの種類

ボールペンの特性を大きく分ける要素のひとつが、使用されているインキの種類です。見た目にはほぼ同じで見分けがつきにくいものですが、大きくは油性、水性、ゲルの3種類に分かれます。インキの乾きやすさやにじみにくさ、書き心地などがそれぞれ違うので、好みや用途に応じて選ぶと良いでしょう。

油性ボールペンの特徴

油性ボールペンは、インキの乾きが早く、耐水性、耐光性が高いのが特徴です。にじみにくい、色褪せしにくい、裏移りしにくいため、履歴書や契約書、公文書の筆記にも適しています。また、インキの粘度が高めのため、やや重い書き心地で、筆記線が部分的にかすれる場合や、ペン先に溜まったインキのかたまりが紙に付着する「インキボテ」が生じる場合があります。インキの発色という点ではあまり優位ではないため、色の種類はさほど多くありません。ただし最近は、低粘度油性ボールペンも発売されており、従来の油性ボールペンとは異なる特徴を持つものもあります。

こんな場合におすすめ
・公文書や契約書へのサインなど、長期間の保存が必要となる重要な書類の作成
・伝票や領収書など、しっかりと濃い筆跡が必要な複写用紙への記入
・郵便物の宛名や屋外でのメモなど、雨に濡れた時ににじむと困るものの筆記
・筆記後のインキが乾く速さを重視する方
・筆圧が高めの方、しっかりとした書き応えを感じたい方

水性ボールペンの特徴

水性ボールペンは、油性タイプに比べてインキの粘度が低く、サラサラと軽くスムーズな書き心地です。筆圧をかけなくても書きやすく、筆記線がかすれにくい、インキボテが起きにくい、インキの発色が鮮やかで色の種類が豊富、といった特徴があります。一方で、インキの速乾性、耐水性は低く(※)、筆記線に手や物が触れると擦り跡がついてしまったり、手の汗や雨などで濡れると、にじみが生じてしまいます。また、表面がツルツルした性質のものへの筆記は不向きです。

※インキの耐水性は、使用されている着色剤が染料の場合は低いですが、顔料の場合は高くなります。

こんな場合におすすめ
・長時間の筆記において、手の疲れをできるだけ抑えたい場合
・書き出しから書き終わりまで、均一で美しい筆記線を好む方
・筆圧が低めの方、なめらかな書き味を好む方

ゲルインキボールペンの特徴

ゲルインキボールペンは、油性タイプの速乾性と耐水性、水性タイプのなめらかな書き味とかすれにくさを持ち合わせています。両者の良いとこ取りのハイブリッドなので、どんな用途にも幅広く万能に使えるところが最大の特徴です。また、色の種類も豊富です。インキの着色剤は、染料と顔料の2タイプがあり、顔料が使用されているものは耐水性、耐光性も高く、長期的な保存を要する重要な書類の作成、濡れる可能性がある屋外での使用などにも支障がありません。ただ、インキが減るのが早いため、筆記できる長さは油性タイプ、水性タイプに劣ります。

こんな場合におすすめ
・にじみやかすれなく美しい見た目に仕上げたい、手紙や招待状などの筆記
・疲れにくい、なめらかな書き味を好む方
・カラーバリエーションがたくさん欲しい方

ボールペンの形状・構造の種類

ここまで、ボールペンの特性をインキの種類で見てきましたが、形状や構造といった点でもその特性は変わります。ペン先の出し方やボール径がそれに当たります。出し方としては、ノック式、キャップ式、回転式の3種類が主流です。ボール径は、太字、中字、細字、極細字の4種類に大きく区分されます。ただ、インキはその特性や書き方によって筆記時に排出される量が異なるため、ボール径と筆記線のサイズは同じではありません。そのためJIS規格では、同じ「極細字」の区分であっても、油性なら0.65mm未満、水性なら0.55mm未満、ゲルなら0.40〜0.55mm未満というふうに、それぞれ異なるボール径のサイズが定められています。

type01

ノック式ボールペンの特徴

ノック式ボールペンは、ペン先の逆側についたノック筒を押すことでペン先が出る仕組みになっていて、もう一度押すと出ているペン先が収納されます。多くのボールペンで採用されており、片手でペン先の出し入れができる点が特徴です。出してすぐ筆記ができるところは魅力ですが、ノックの度に音がするので静音性の面では不利と言えるでしょう。

knock

こんな場合におすすめ
・オフィスや自宅ですぐメモを取る必要がある
・携帯電話など、何かを片手に持ちながら筆記する機会が多い

キャップ式ボールペンの特徴

キャップ式ボールペンは、ペン先に付属のキャップを着け外しするタイプです。ノック式のように、ペン先の出し入れが片手でできない点は少々手間ですが、シンプルな構造のため壊れにくく、比較的安価で手に入ります。キャップを紛失しやすいという難点はありますが、キャップで完全にペン先が覆われるため、インキが乾きにくいという利点があります。

cap

こんな場合におすすめ
・持ち運び時のインキ漏れが気になる
・出し入れの手間よりも、丈夫さや価格を重視する

回転式ボールペンの特徴

回転式ボールペンは、軸を回転させることでペン先の出し入れができる仕組みになっていて、出した方向と逆に回転させると収納されます。ノック式のように片手で出し入れはできませんが、音がほとんどしないので静かです。すぐに使いたい場合にはあまり向きませんが、静音性の面ではノック式、キャップ式よりも優れていると言えます。

こんな場合におすすめ
・ペン先の出し入れを静かに行う必要がある方

太字ボールペンの特徴

太字ボールペンと呼ばれるものは、一般的にペン先のボール径(JIS規格)が約1.0mm以上あります。筆記した際、しっかりと太い線幅になるため、はっきりと読みやすい文字、力強い印象の文字が書けます。見た目のインパクトがあるので、一際目立たせたい文字を書くのに適しています。

こんな場合におすすめ
・手紙の宛名やお礼状など、読みやすさが重視されるものの筆記
・仕事のメモや学習ノートなどの中で、要点を筆記する
・履歴書など、堂々と力強いイメージをアピールしたい場合

中字ボールペンの特徴

ほとんどのボールペンで用意されているのが、ペン先のボール径(JIS規格)が約0.75〜1.0mm未満の中字ボールペンです。メーカーを問わず広く普及しているため、替え芯の種類も豊富に存在します。読みやすい線幅で、文字の間隔など文面のバランスが取りやすいので、どんな用途にも使いやすいと言えるでしょう。ノートやメモ書きをはじめ、書類や資料、手紙などオールマイティに活躍します。

こんな場合におすすめ
・ボール径選びに迷っている場合
・どんな用途にも万能に使える1本が欲しい方

細字・極細ボールペンの特徴

ペン先のボール径(JIS規格)が約0.55〜0.85mm未満のものは細字ボールペンと呼ばれ、近年人気を集めています。中でもボール径(JIS規格)0.55mm以下の極細タイプはここ数年で随分と種類が増加しています。細い線幅で書けるので、わずかなスペースにも書きやすく、小さなサイズで書いても文字がつぶれず読める点が利点です。ただし線幅が細いぶん、文字の印象としては、やや弱々しいイメージになりがちです。

こんな場合におすすめ
・スケジュール帳や付箋など、狭いスペースへの記入
・小さくても、つぶれず読める文字が書きたい方

ペン先以外でチェックしたい ボールペンの形状・構造

ペン先の出し方、ボール径についてご説明してきましたが、ボールペンの形状・構造においては、軸の太さ、重量、グリップの素材などもチェックしておきたい点になります。どれを選ぶかによって握り具合や使用感に差が出るので、検討の際の参考にしてみてください。

ボールペンの「軸の太さ」

ボールペンの軸の太さは、使用者の手の大きさや筆圧に応じて選ぶのがおすすめです。女性や子供など手が小さい方や、筆圧が弱い方の場合は、細軸を選ぶと良いでしょう。軸が細いと小さな手でもしっかりと握りやすく、弱い力でもスムーズに筆記できます。一方、手が大きい方、筆圧が強い方の場合は、太軸がおすすめです。軸が太いとグッと握っても強い力が入りにくいため、余計な力をかけずに筆記できます。

ボールペンの「重量」

多種多様なボールペンが存在するため、ボールペンの重量にはかなりの幅があります。10gに満たない軽量タイプから、40g近くある重量タイプまでさまざまですが、筆記を行う時間の長さや筆圧によって書きやすさや疲れにくさは変わってきます。一般的には、長時間筆記をする方や筆圧が強い方は、軽量なものを選ぶと手に対する負担が軽く疲れにくいと言われます。また筆圧が弱い方は、やや重量のあるものを選ぶと安定よく握れて書きやすいと言われます。

ボールペンの「グリップの素材」

グリップの素材もさまざまな種類があり、ボールペンを握った時の感触がそれぞれに異なります。代表的な素材としては、ゴム、シリコン、金属、木、プラスチックがあります。ゴムやシリコンはやや粘性のある感触で、握った際の指のフィット感、ずれにくさが特徴と言えます。ただし、長期間使用しているうちにベタつきを感じることがあります。一方、金属や木は長期間使っても、そういったベタつきが起きません。また、表面に凹凸加工がない場合には、金属やプラスチックのグリップは手汗で滑りやすいことがあります。

ボールペンの機能の種類

ボールペンに採用されているインキの種類、形状や構造ごとの特徴を見てきましたが、最後にご紹介するのはボールペンの機能です。筆記がより便利になる機能を持つもの、筆記以外のプラスαの機能を備えたものなど、その種類は増加傾向にあります。用途に応じた1本を持っていると非常に重宝するので、ぜひチェックしてみてください。

インキを消して書き直せるボールペン

ボールペンで筆記をする際の困りごとのひとつが、書き誤った部分の書き直しです。鉛筆やシャープペンシルのように消しゴムでサッと消すことができないので、一旦、修正ペンや修正テープで白紙状態に加工した後に、上から書き直す必要があります。しかもこの方法の場合、書き方によっては加工した部分がハゲたりヨレたりして、キレイに仕上がらないことも...。そんな難点を解消してくれるのが、インキを消して書き直せるボールペンです。このボールペンは、温度変化によってインキが消える仕組みになっており、書いたインキの部分を擦ると摩擦熱で筆記線が見えなくなります。このことで、鉛筆と同じ「書く→消す→書き直す」が簡単に実現します。ただし、証書や宛名書きなど文字が消えると困るものへの筆記には向きません。

こんな場合におすすめ
・修正ペンや修正テープでの作業が苦手な方
・何度も書き直すことが多い方
・用紙のムダ使いを減らしたい場合

シャープペンシルや多色インキが使えるボールペン

シャープペンシルとセットになったタイプや、複数色のインキをセットしたタイプなど、1本で何種類もの筆記ができる多機能ボールペンもあります。あとで消せるようにシャープペンシルで...強調したい部分を赤色のインキで...といった場合も、別の筆記具に持ち替えることなく、そのままスムーズに筆記ができます。何本も筆記具を揃える必要がないので、収納がコンパクト、持ち運びがラク、という点が便利です。

こんな場合におすすめ
・たくさんの筆記具は持ちたくないが、用途やシーンによって使い分けたい
・筆記具を持ち替える手間が面倒な方

multicolor

タッチペン付きのボールペン

スマホが広く普及した今、ビジネスやプライベートを問わず、日々の生活にその存在は欠かせません。中には、スマホを使う際に、タッチペンを活用されている方もいらっしゃるでしょう。そんな方に便利なのが、スマホやタブレットのタッチペンとしても使用できるボールペンです。ボールペンとして使いたい場合はペン先を、タッチペンとして使いたい場合はペン尻を、という具合に2WAYで使用できます。スマホで調べものをした後に、すぐメモができる点が大変便利です。

こんな場合におすすめ
・紙とデジタルの両方をよく使う方
・日常的にメモ魔の傾向がある方

その他、特徴的な機能を備えたボールペン

上記に挙げた以外にも、LEDライト付き、ドライバー付き、ハンコ付き など、筆記とは直接関係しないような機能を備えたボールペンもあります。また、デジタル社会ならではの機能としては、USBメモリやICレコーダーが付いたボールペンも。万人が要する訳ではありませんが、こういった機能があると重宝する職業、職場の方もいらっしゃると思いますので、ご自身のニーズに合った多機能ボールペンを探してみるのも面白そうですね。

サクラクレパスのボールペンラインナップ

ここからは、サクラクレパスのボールペンについて、そのラインナップをご紹介いたします。インキの種類で言うと、ゲルインキボールペンと油性ボールペンがあります。また、シャープペンシルと多色ボールペンでの筆記ができる、多機能タイプもラインナップしています。

世界のボールペン市場に 革命を起こしたゲルインキ

各メーカーからたくさんの種類が登場しているゲルインキボールペンですが、このゲルインキを初めて世に送り出したのは、実はサクラクレパス。1984年、世界初の水性ゲルインキを開発し、油性インキと水性インキの良いとこどりをしたゲルインキボールペンを誕生させました。これが世界のボールペン市場に革命を起こし、現在はゲルインキがボールペンの主流になるまでに至りました。

ballsign

インキの色や質感、機能など種類豊富なボールサインシリーズ

サクラクレパスの水性顔料ゲルインキボールペンには「ボールサイン」という名称がついています。インキの特徴は、ゲルインキボールペンの項目でご紹介した通りですが、カラフルな色展開を揃えたもの、ニュアンスの異なる6色の黒インキを揃えたもの、1本に多機能を備えたものなど豊富な種類の中からお選びいただけます。

ボールサイン

カラフルな色展開が魅力の「ボールサイン80」、ラメフレーク入りのインキでキラキラ文字が書ける「ボールサイン ティアラ」、色付きの紙や写真などにもクッキリ鮮やかに書ける「ボールサイン ムーンライト」など、ラインナップが豊富です。発色がとてもキレイなので、書いた文字やイラストが美しく引き立ちます。

ballsign

 

ボールサインiD

ビジネスシーンで一般的に使われる黒色のペンは多数存在しており、これらを普段使いの”いつもの黒”とすると、自分をさりげなく表現できる”じぶんの黒”を、6色の黒インキの中から状況や気分に応じて選び、使い分けることができるのが、この「ボールサインiD」です。上質感溢れるスタイリッシュなデザインなので、ビジネスシーンにもマッチします。

iD

ボールサインiDプラス

「ボールサインiD」に”上質さ”、”握りやすさ”、”書きやすさ”をプラスし、ワンランクアップしたのが「ボールサインiDプラス」。ペン先の素材に削り出しの金属を採用、さらに本体軸全体が滑りにくいマットなラバー素材となり、より安定した書き心地を実現しました。「文房具屋さん大賞2022」では大賞を受賞しました。

iDplus

ボールサイン 41

「ボールサイン 4*1」は、黒・赤・青・緑の4色ボールペンとシャープペンシルを備えた多機能ボールペン。手帳のスケジュール表や卓上のカレンダーなど、限られたスペースにも細かく鮮やかに書くことができます。多機能ボールペンとしてはとても細い12mmの細軸で、手帳のペンホルダーにも収まりやすく、携帯に便利です。

4kakeru1