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絵の具の種類に応じたおすすめパレット 特徴を知って賢く選ぼう!
パレットは、絵の具で絵を描く際に欠かせない道具の1つ。多くの人にとって馴染みがあるのは、仕切りのあるプラスチック製のパレットだと思いますが、他にも色々なタイプがあります。ここでは、絵の具の種類別に適したパレットをご紹介。それぞれの特徴を詳しく解説するので、自分に合ったパレット選びの参考にしてください。
パレットの役割と適切な選び方とは?
ほとんどの方が学生時代に使ってご存知だと思いますが、パレットとは絵の具を出す平板状の用具です。絵の具を溶いたり、混ぜたりするために使います。絵の具を出す、溶く、混ぜる…ができれば、身の回りにあるものをパレットとして代用することも可能ですが、使う絵の具の特性に合ったものを選ばないと使いづらい…と感じることも多いでしょう。絵の具の特性としては、水性か油性かという点が大きな違いになるので、パレットの役割をきちんと機能させるためにも、まずはこの違いを踏まえて選ぶようにしましょう。
水性の絵の具に向いているパレットは?
水性の絵の具は水を使って溶いたり混ぜたりするため、パレットは少し深さがあるものが一般的です。また多くの場合、出した絵の具が意図せず混ざることがないよう仕切りが付いています。プラスチック製、金属製、陶磁器製のものが多く、手で持てるよう親指を通す穴が開いているものもあります。
金属製パレットの特徴
スチール素材のもの、アルミ素材のものが主流で、汚れがつきにくいよう表面にホーロー加工が施されているものが多いです。スチール素材の場合は強度が高く、落としたりぶつけたりしても丈夫です。重量感もあるため、机などに置いた時には安定しますが、外でのスケッチに持ち歩いたり、手に持って描く時にはやや不便です。一方、アルミ素材の場合は軽いのでラクに持ち運びができ、手に持った時の負担も少なくて済みます。ですが、スチール素材に比べるとやや変形しやすいので、取り扱いに注意が必要です。また、他のパレットに比べると価格が高めなのも金属製パレットの特徴と言えます。
プラスチック製パレットの特徴
プラスチック製のパレットは、お手頃な価格と軽さが特徴です。金属製に比べると耐久性は劣りますが、気軽に使えて持ち運びもラクラク。初心者の方が最初に揃える用具としても適当でしょう。水分を弾きやすい性質があるため、パレット上の色を確認しにくく感じることがあるかも知れませんが、その場合は、弾きにくい加工が施されたものを選んでみましょう。また、使っているうちに表面に細かなキズが増えると、汚れが取れにくくなり、沈着すると色の判別がしにくいことも。消耗サイクルが早い点はプラスチック製パレットの特徴と言えるでしょう。
陶磁器製パレットの特徴
陶磁器製のパレットは、絵皿、溶き皿とも呼ばれます。8cm~15cm程度の豆皿のようなものの他、梅皿、菊皿と呼ばれる複数箇所に仕切られた形状のものもあります。重量があるので安定して使え、たくさんの絵の具を一度に溶くのに便利です。汚れが水で簡単に落ち、色の沈着もほとんどないのでお手入れがラクなのも特徴です。ですが、落としたりぶつけたりすると割れる可能性があるため、持ち運びや外への携帯にはあまり向きません。アトリエなど室内での使用が一般的です。
油性の絵の具に向いているパレットは?
水性の絵の具に比べ、モッタリと重い質感を持つ油性の絵の具。水性の絵の具のようにまわりに伸び広がることが少ないので、パレットはフラットな板状で、仕切りがないのものが一般的です。手で持つために親指を通す穴が開いているものも多く、穴の位置によって右利き用/左利き用があります。素材としては、木製、大理石製、紙製などがあります。
木製パレットの特徴
ソリが出にくい桜や桂がよく用いられます。素材の品質が高いものは値段も高価ですが、合板を用いた比較的手頃な価格帯のものもあります。形状は楕円形、長方形などさまざまで、コンパクトに持ち運べる二つ折りタイプなども見られます。また、素材の木目がそのまま見えるものが一般的ですが、絵の具の色の判別がしやすいよう、表面を白く塗ってあるパレットもあります。
大理石製パレットの特徴
ずっしりと重量があり安定感が良いので、絵の具を調色する際に使いやすいという特徴があります。顔料と乾性油を練り混ぜて、独自の絵の具を作るような場合にも便利です(下図参照)。ただ、その重さゆえに屋外でのスケッチなど持ち運びには向きません。主に、アトリエなどに据え置きで使われるパレットと言えます。
紙製パレットの特徴
ノートのように何枚もの紙が綴られており、使い終わった一番上の紙は剥がして捨てられる仕様になったパレットです。紙の表面に油分や水分を容易に通さない加工がされており、油性だけでなく水性の絵の具でも使えます。使い終わったパレットをその都度洗わずに済むので、お手入れが面倒な方にとっては非常に便利ですが、繰り返し使うことはできないので、コスト的にはやや割高かも知れません。
絵の具の種類別・おすすめパレット
ここからは、それぞれの絵の具に合ったおすすめのパレットをその理由とともに解説します。メリット、デメリットを把握し、ご自身の用途や好みにマッチするものを選んでくださいね。
水彩絵の具におすすめのパレット
水彩絵の具にあたるのは、透明水彩、マット水彩、ポスターカラーなど。質感がやわらかで、水で溶いて使うタイプの絵の具です。そのためパレットは、深さと仕切りがあるものがおすすめです。中でも、色別の仕切り、混色スペースの仕切りがあるものが良いでしょう。
屋外でスケッチをする方には…
軽いプラスチック製のパレットだとラクに持ち運びができるのでおすすめです。手軽に使える紙製のパレットも良いですが、絵の具をパレットに出したまま保存するのが難しいので、同じ色を使って続きを自宅で描きたい…という場合には向きません。
お手入れが面倒な方には…
パレットの洗浄や乾燥など、使用後のお手入れが面倒な方には使い捨ての紙製パレットがおすすめです。もしくは、ホーロー加工の金属製パレットであれば汚れが取れやすく、少ない手間で洗浄が完了します。
また、学童用の水彩絵の具である「マット水彩マルチ」はパレットに付いた時に汚れが落としやすくなっていますので、お子さまのパレットの汚れが気になる方にはおすすめです。
絵の具が大量に必要な場合は…
大勢で色塗りをしたり、大きな紙に描くような場合には一度に大量の絵の具が必要なので、仕切りのあるパレットよりも、絵皿(溶き皿)1つに1色を入れて使う方法が向いているでしょう。絵皿は、陶磁器製の他にプラスチック製もあるので、小さいお子様が使う場合には、そちらを選ぶと割れる危険性が少なくておすすめです。
アクリル系絵の具におすすめのパレット
アクリル絵の具、アクリルガッシュなどがアクリル系絵の具に該当します。使う時は、水彩絵の具と同様に水を使いますが、乾くと耐水性になるという特徴があります。パレットは水彩絵の具と同じものでも問題ありませんが、乾く前に洗浄しないと絵の具が落ちにくいので、その点は注意する必要があります。
汚れ残りが気になる方には…
水彩絵の具よりも乾きが早く、乾くとパレットにこびりついて、水で洗ってもなかなか取れないのがアクリル系絵の具の特徴。水やお湯につけておくと取れやすくはなりますが、汚れ残りが気になる方は、プラスチック製よりも陶磁器製を使うのがおすすめです。乾いても汚れが取れやすい傾向にあります。
しつこい汚れ残りは、消しゴムでこすると汚れが落ちる場合もあります。写真で使用している消しゴムは、水だけで汚れを落とせる掃除用品としておなじみのメラミンスポンジと同等の素材を含んでいるので、汚れがよく落ちます。※パレットに細かな傷がつく場合があるので、力加減に注意してご使用ください。
それでも汚れが取れない場合は、専用のクリーナーを使うこともおすすめします。サクラクレパスの商品では、以下の商品がそれに当たります。
スーパークリーナーの商品ページは
スーパークリーナーご紹介動画は
気楽に手間なく使いたい方には…
使った後のことを気にしたくない、お手入れする時間がない、という方には、使い捨ての紙製パレットがおすすめです。基本的には1回の使い切りなので、ややコストは高いですが、使い終わったらゴミ箱に捨てるだけで後始末まで完了するので気軽に使えます。
油絵具におすすめのパレット
油絵具は、揮発油や乾性油などを混ぜて使う絵の具です。水彩絵の具などに比べると粘度があり、流れたり広がったりしにくいので、仕切りは特に必要ありません。木製や大理石製のものが古くから使わてきましたが、フラットな板状で、絵の具を出すスペース、混色するスペースが充分にあれば他の素材でも問題ありません。
これから油絵を描いてみたい方には…
木製のパレットが最も一般的ですが、はじめから高価な道具を買い揃えると負担も大きいので、比較的安価に手に入る合板のものもおすすめです。1枚板のタイプと2つ折りタイプのものが主流です。また、手に持つために親指を通す穴が開いているので、ご自身の利き手に合わせて選びましょう。
時間や手軽さ優先の方には…
油絵具に限ったことではありませんが、使い終わったら剥がして捨てるだけの紙製パレットは手間なく使えて便利です。コストよりも時間や手軽さを優先する方にはおすすめです。
油絵具を自作したい方には…
絵具を調合するのに向いている大理石製のパレットがおすすめです。重量があるため、顔料と油を擦り合わせる際も、安定して作業が行えます。
サクラクレパスのパレットLineUp
サクラクレパスおよびグループ会社のターレンスジャパンでは各種パレットを取り扱っています。店頭やオンラインショップでご購入いただけるものとしては、以下の商品がございます。
プラスチック製パレット
様々な形状、サイズのものが揃っています。表面に絵の具を弾きにくい特殊加工を施したものがほどんどです。(一部を除く)
金属製パレット・木製パレット
金属パレットはアルミ素材で、表面にホーロー加工が施されています。木製パレットは合板の2つ折りタイプです。
紙製パレット
サイズ展開があるのでお好みに合わせて選べます。ミニサイズ以外は、手で持つための穴がついています。
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