進化する色材技術

微粒子分散・インキ製造技術

サクラクレパスは、水・有機溶剤・油脂など多様な素材に対して、分散媒体の粘度と粉体の目標粒径から最適な分散装置・分散プロセスを選択し、有機・無機顔料に代表される各種粉体を三本ロール・ビーズミル等の装置を用いて分散しています。また、印刷インキ分野では、エポキシ2液硬化系やUV硬化系など無溶剤インキの分散加工も行っています。

従来、水性インキといえば染料を使用したものだったので、耐光性・耐水性などは全くありませんでした。絵具に使う顔料には耐光性・耐水性があることはわかっていましたが、それまでの常識として顔料は水に溶けないこと、顔料の粒子がチップの中で目詰まりを起こすなどの理由で細書きの筆記具には不可能と考えられていました。

この常識に挑戦して見事に成功したのが「ピグマ顔料インキ」でした。成功の鍵は顔料の粒子を細かくして水の中で均等に分散させるところにありました。

顔料の粒子を細かくして水の中で均等に分散させる

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界面制御技術

染料、有機・無機顔料と機能性樹脂、界面活性剤を適切に組み合わせることで、紙・繊維等の吸収面だけでなくプラスチック、金属、セラミックス等の非吸収面など、多種多様な素材に対する定着性を持たせることができます。

一方で、いろいろな素材に定着するが、落としたいときには洗剤で落とせる、そのような利便性の高いインキや色材も開発しました。

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レオロジー制御技術(ゲル化・ゲルインキ技術)

サクラクレパスは、絵具や印刷インキのレベリング性コントロール、溶剤系インキの固形化など、幅広いレオロジー制御技術を駆使した配合設計を行っています。

水性ボールペンは、インキに粘りがなくサラサラのため、書き味がなめらかですが、中芯式のため、インキの残量が見えません。一方、油性ボールペンは、インキが水性ボールペンインキの約1000 倍の粘度(粘り気) があるため、パイプに漏れることなく直接詰めることができ、インキ残量を見ることが出来ますが、書き味は重く手が疲れます。 この2つのインキの「いいとこどり」をしたインキを作ることができないか?この疑問が「水性ゲルインキボールペン」開発の端緒となりました。

開発には「パイプ中での高粘度とボールペン先での低粘度、この相反する性質をいかにして融合させるか」という大きな課題をクリアする必要がありました。試行錯誤を繰り返すうちに「静止状態では粘りのある寒天状態のものが、ボールの回転により撹拌されると粘りがなくなり水のようになるチキソトロピー性をインキ自体に持たせる」ことが、解決の道ではないかと分かってきました。そこで、寒天や卵、とろろ、コーヒーなど「どろっ」としていて、後で「さらっ」とする素材を何百種類も集め、ひとつひとつを試験していきました。
その結果、インスタントスープなどに入っている「とろみ」をつける食品添加剤である増粘多糖類が適していることがわかり、これをボールペンの素材にすることにより、水性インキと油性インキ双方の長所を持つ「水性ゲルインキ」の実用化に成功することができました。

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マイクロカプセル化技術

ミクロンサイズの極小カプセル内に、種々物質を内包したものをマイクロカプセルと呼びます。身近なところではノーカーボン複写紙や擦ると匂いのする芳香剤入り印刷インキなどがあります。

サクラクレパスでは冷えて固まると発色し、熱で融けると色が消える色材を内包したマイクロカプセル色材、TCカラーを開発しました。

マイクロカプセル中の成分が、冷えて固まると発色し熱で融けると色が消えるように作っています

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