MY STYLE, MY PIGMA 05

水彩画にピグマ

水彩画アーティスト
エリカ・ワード

カリフォルニア生まれ東京在住。ペンと水彩からなる色鮮やかで繊細なイラストが日常とシュールを合わせて独特な世界へ導く。出版物やWebのイラストから、日本酒のラベル、イベントのポスターなど幅広く手がける。数多くの展覧会に出品。2020年には「CLOUDS ART + COFFEE」にて個展「えんぎもの」、the Hiveにて個展「Decade」を開催した。

日本で出会った人たちが
アーティストになる
きっかけをくれた。

高校時代に日本へ短期留学をしたことから興味が芽生え、大学在学中に来日したワードさん。日本の大学では日本語と日本文化を専攻し、大学卒業後は、英語の講師や翻訳家の仕事をしていました。
「絵で食べていこうとは思ってもいなかったんです」
絵を仕事にするきっかけとなったのは、ワードさんが英語講師をしていた学校の同僚たちが、ワードさんの趣味で描いていた絵を見たことだったと言います。
「同僚たちが作品展をしてみたら?と言ってくれたんです!はじめて額に入った作品を制作して、作品展にも多くの人が見に来てくれて、そのときにはじめて絵を仕事にしてみようと思うようになりました」
アメリカにいたときから趣味でつづけていた絵の才能が、日本で周囲の後押しにより開花。絵は日本的なモチーフのものが多く、見る人の目をひきつけます。
「日本人が描いたものかと思ったと言われることもあれば、日本人からは生まれない絵ですね、と言われることも。自分のアイデンティティーを考えるきっかけにもなり、おもしろいです」

心と体を合わせて、
作品づくりに向き合う。

アーティストになった経緯からも、好きなことを仕事にできていることや周囲への感謝を常に忘れないでいたいというワードさん。
「依頼してくれた方の思いを大切にしたい、期待以上のものをお渡ししたいと思っています。だから、自分自身が心を込めて、満足できた絵だけを出すようにしています」
そして、たとえ現状のアウトプットに満足していたとしても、次のレベルはなにかを自分に問いかけて、新しいことに挑戦することを心がけているそう。そんなストイックに作品づくりを追求する中でも、自分の心と体の声にも耳を澄ませることは忘れません。
「気持ちと体を合わせて作品づくりをするようにしています。眠くなったら、作業の手を止める。窓から心地いい光が差し込む時間帯に描く。そのようなペースで作品に向き合えるよう、締め切りがギリギリにならないよう、依頼された作品には早めにとりかかるようにしています」

思い通りの線を描いた後は、
絵の具が仕上げてくれる。

ワードさんの繊細で色鮮やかな作品は、鉛筆で下描きをした後に、ピグマで線を描き、そこに水彩絵の具で彩色することで出来上がります。自身が描きたい線をピグマで表現した後は、絵の具が絵を仕上げてくれる感覚なのだそう。
「紙と絵の具の対話によって、自分では予想できないものが出来上がるのが楽しいですね。線を描いた後にすぐに彩色するので、インキの乾きが早く、一度描いたらそのままきれいに線が残るのがピグマの魅力です」
移動時間はスマホを開かず、電車やバスから見える景色を眺めることでアイデアが浮かんでくるというワードさん。すぐ指で空中に描いて頭の中にストックしてから、自宅に戻ってスケッチブックにメモ。数ヵ月寝かせた後にそれらが作品になることも少なくないと言います。ワードさんならではの感性で日本の景色をストックし、自ら線を描き、絵の具に仕上げてもらう……。その一端を、アメリカで出会った日本生まれのピグマが支えているのは、なんだか素敵な縁を感じます。

エリカ・ワードさんのピグマは……

「ピグマ005/01/05」

高校時代にもともとは鉛筆で描いていた自作の漫画をコピーして友だちに配るために、はじめてピグマを手にしたというワードさん。「下描きをピグマでなぞった後に消しゴムをかけても汚れないので、ずっと愛用しています」

Impression for PIGMA HOLDER

ホルダーにピグマを入れると「生まれ変わりましたね」と目を輝かせてくれました。「サインを頼まれたときなどにさっと出しても素敵かも。眩しすぎない落ち着いた色も気に入りました」