MY STYLE, MY PIGMA 06

言葉にピグマ

コピーライター/スピーチライター
白井 千遥

大阪芸術大学卒業。制作会社、四季株式会社(劇団四季)を経て、フリーランスに。2016年からライター・プランナーのコミュニティ「モノカキモノ会議」を開始。大手クライアントのキャッチコピーやブランドメッセージの制作のほか、ネーミングや記念碑の文言、動画の企画など幅広く手がけている。

大きな声より、小さな声が届く時代だと思う。

「これまで企業が消費者やユーザーとコミュニケーションをするときに一番優先されていたのは、やっぱり声の大きさだと思うんです」
コピーライターの白井さんはそんな風に語ります。出稿量をどう増やすか、いかに大きなキャンペーンを打つか、目立ったキャッチコピーをつくるか。広告が「広く告げる」と書くように、いつだって大きな声こそ正義でした。でも今は「広告の夢より嘘が見えてしまう時代」と白井さん。
「だから今は大きな声より、小さな声を大切にするべきだと思います。大きな声でがなり立てるようなコミュニケーションではなく、小さくても真面目に、丁寧に語りかける。塞いだ両手を離して、耳を傾けてもらえるような関係が理想ですよね」
もちろん、コミュニケーションは一方通行では成り立ちません。
「だから消費者やユーザーの小さな声も聞いて、一緒になってストーリーをつくっていくことが大切だと思います」

どんなコピーも、まずは手書きから。

「小さな声と言っても、話し声と同じで、ただ独り言のようにブツブツ言っていても、相手は聞き取れません。たとえ小さくても、聞き取りやすい言葉で、わかりやすく話すことが必要です」
だから、白井さんはターゲットとの距離感を意識しながら、何度も言葉を吟味します。そして、そんな仕事を支える道具のひとつが、ピグマだそう。
「自分でも二度手間かなと思わなくもありませんが(笑)、どんな言葉もまずは紙に手書きしています。PC画面に並んだ綺麗なフォントのテキストって、『出来上がった感』があるでしょう?僕はギリギリまで未完成の状態で置いておきたいタイプ。手書きだといい意味でラフで、最後まで悩みやすいんです」
それでは数ある筆記具の中からピグマを選んだのはどうしてなのでしょう?
「いつでも同じコンディションで書きたいので、筆記具はなるべく統一したいんです。ピグマはペン先のバリエーションが多いし、価格も高くなくて、ちょうどいい存在です。基本は太めが好きですが、手帳用に細いものも使っています」

クルマの中にもメモセットを。

大手クライアントのキャッチコピーやネーミングから石碑の文言、取材記事までとても幅広い守備範囲を持つ白井さん。そのアイデアはどんな場所から生まれているのでしょう。
「まとまった文章を書くときは机の上になりますが、それ以外ならどこでも。新型コロナウィルスの影響でクルマ移動が増えたこともあって、最近はハンドルを握りながら考える時間も多くなりました」
もともとクルマの中にもピグマとメモ帳を準備していたそうですが、その出番が特に増えたのだとか。
「やっぱりじっと座っているより、手足を動かしている方がアイデアは生まれやすい気がします。いろいろな看板が目に入ってくるのもいい刺激に。思いついたら口の中で繰り返し呟いて、信号で停車したタイミングでバッとメモします。あ、スマホに入力するより早いのも、手書きならではの良さですね」

白井 千遥さんのピグマは……

「ピグマ03/08/ブラッシュ」

普段使いは少し太めの「08」、手帳やメモ帳に記入するときは細めの「03」、手書きの企画書をつくるときは「ブラッシュ」を使い分ける白井さん。「ブラッシュで文字を書くと筆で書いたような迫力が出て、コピー案が採用されやすい気がします(笑)」。

Impression for PIGMA HOLDER

「手の大きさや好みにもよると思うのですが、僕は割と太めが好きなタイプ。ホルダーをつけることで、さらに書きやすくなったと思います。見た目も高級感があるので、取材やフォーマルな会議でも使いやすくていいですね」