MY STYLE, MY PIGMA 03

建築にピグマ

一級建築士
南 啓史

「無難でもなく、奇抜でもない、等身大のデザイン」をモットーに普段と新しさを感じ生活に変化をもたらす空間を具現化。建築・リノベーションの設計監理をはじめ、モデルルームやカタログ写真の空間コーディネートや監修に携わっています。愛知建築士会名古屋北支部 第3回 建築コンクール佳作、第29回住まいのリフォームコンクール優秀賞。

等身大で成長していける
空間を。

住まいを新築する、それは誰しも人生の中で大きなイベント。だから夢は膨らんで、あれもこれもと理想はどんどん……。「やっぱり皆さん、気合いが入るんですよね(笑)」。南さんはそう言って、微笑みます。
「たとえば、天然石を使った豪華な設えや、高級ホテルのような空間を望んだり……。でも、そういうのって、たまにいくリゾートだから気持ち良かったりするんです。非日常の空間と、日常を過ごす場所では、求めるものや居心地が違いますから」
だから、南さんは設計のテーマに「等身大」を掲げ、お客さまとの対話を重ねます。
「等身大といっても、なんでも自己表現するべきだ、慎ましくあるべきだとも思っていません。理想は無理な背伸びはしない、だけど今の自分の背よりもちょっと上の幸せを感じられる場所。お客さまの思いや希望をお伺いしながら、そうしたお客さまのためになる空間を一緒につくることができれば、設計者としてこれほど嬉しいことはありません」

手で描くことで、気持ちに
フォーカスできる。

無理をせず、自分らしく、でも幸せをちょっと広げられる。そんな空間をつくるため、南さんはまず手を動かすことを大切にしています。
「手描きにこだわるのは、お客さまの想いや理想の暮らしを描き出すことに集中したいから。最初からCADやCGソフトを使って綺麗な図面をつくろうとすると、どうしても部材や構造・設備の細かな寸法をはじめ、それらの帳尻合わせが頭の片隅に入ってくる。もちろん、製図の段階ではCADを使いますしそれらがとても大切ですが、それ以上にまずは気持ちや熱を込めることに集中したい。そのためのステップが一旦手で考えることで、僕には必要な時間なんですよね」
そう話した南さんが開いてくれたスケッチブックには、手描きのラフイメージがびっしり。これらはほとんどピグマを使って描かれたのだそうです。
「学生時代に大学で紹介されたのが、海外メーカーの製図ペン。だけど、高価なのにすぐにペン先が折れて、すごく落ち込んで……。そのときに出会ったのが、ピグマです。リーズナブル、気軽に使える、それに書き味がいい。僕がペンに求めるものが、全部叶っている!って感動しました」

日常的に描くことで、
自分の今がわかる。

学生時代に出会ってから、ずっとそばにいる南さんとピグマ。旅先へも、カフェにも、ブックストアにも一緒に行く、まるで体の一部のような存在です。
「アイデアの種は宿泊先のホテル、雑誌、ドラマなど、いろいろ。だけど、漠然と眺めていても頭に残らないから、気になったものはピグマでスケッチしています。手を動かしていると、不思議としっかりと描き込んでいるところ、流して描いているところが出てくるんです。それは自分が無意識に気になっている箇所と、気になっていない箇所の差だったりする。そこを可視化できるのも、スケッチのいいところです」
今の自分のアンテナを、スケッチすることで把握する。しかし、日常的にスケッチをするには、もうひとつの理由があるそうで。
「野球選手でいう、素振りに近いかな。ルーティンをつくることで、今日の自分の調子がわかりやすい。筆圧の微妙な差で、『あ、今日は力が入ってるな』とか、逆に『集中できていないな』などを知れる。そのための道具としても、ピグマが役に立っています」

南啓史さんのピグマは……

「ピグマ03/ファイン」

ペンケースの中には、サイズ違いでひと揃いのピグマをお持ちの南さん。「だけど、普段使いは03か、ファイン。ひとつのスケッチの中でペンを持ち替えることはあまりなくて、ペン先の角度や、筆圧、速さなどで線の強弱をつけています」

Impression for PIGMA HOLDER

「僕は一番出番が多い03に付けました。持ちやすくて、とても気に入っています。きっとあと少しでも太いと違和感があると思うんですけど、このホルダーはちょうどいいサイズ感ですね」